『商道 風姿花伝』第10話

【女】

ここでは、若い女性を演ずるときの心得について具体的に書かれています。

その中でいちばん大事なのが、『扮装』であると世阿弥は書いています。

先日、『呉服屋はいつも着物着てないとダメか?』という話を書いて、多くの反響を頂きました。

ダメな呉服屋かどうかは別にして、お客様は呉服屋には着物を着ていて欲しいと想っていらっしゃるのは確かなようです。

今回の銀座での展示会では6日間中、4日は着物で出ました。

あと2日は、雨がひどく、やむを得ずスーツで出たのですが、あきらかにお客様はがっかりされていました。

扮装という意味では、呉服屋にとって、着物を着る以上の物は無い様です。

それも、経済的なことが許す限り、内容の良い筋の通った物を着る。

着飾るのはいけません。

あくまで、お客様の参考になる装い、お客様に何かのメッセージを込めた姿をお見せするという事だろうと想います。

あと、いろんな意味で、ライフスタイルを提案することも大事でしょうね。

着物の着方やコーディネートもそうですが、着て行く場所、シチュエーションもです。

自分で試してみるのも大切な事ですね。

草履やカバンなども、実際に着物に合うかどうか試してみる。

帯も他の素材から転用したものを自分で締めてみる。

女性用を転用したりすのもそうですね。

私は、うちの反物の余り切れで造った半幅帯を締めてみたりしています。

柄が紅型なのですが、案外面白かったりします。

消費者にダメです!と否定する前に、自分で試してみる姿勢は必要な事だと想います。

お客様を笑いものにする前に、自分が笑われれば良いのです。

常識的な感覚を持って、これなら違和感がない、と想えばオシャレの部分なら少しずつ提案していってもいいと想います。

もちろん、常識を持つ、基本をわきまえる、と言うことが大前提ですが。

いまは、基本を忘れた呉服屋が多く見受けられるので、基本ばかりを訴えなければならない状況にあるのですが、私自身ももっと遊んでみたいのです。

琉球びんがたはそもそもは男性も着ていたものですし、絣はもちろんそうです。

絣は近々着てみるつもりですが、琉球びんがたは、さすがに勇気がいりますね。

でも、角帯にしたら、コジャレたものになるんじゃないか?とか、想ったりします。

私達もお客様と一緒に着物あそびをさせていただけば、もっともっと楽しくなると想いますね。  

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この記事を書いた人

萬代商事株式会社 代表取締役
もずや民藝館館長
文化経営研究所主宰
芭蕉庵主宰 
茶人

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